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ドイツ|再生可能エネルギー電力80%目標を法制化

ドイツ連邦議会は7月11日、再生可能エネルギーの開発を大幅に増加させることを承認し、制度化する一連の法律を可決しました。

過去数十年で最大規模のエネルギー政策の法改正となります。

ドイツにおける気候変動対策

16年間続いたメルケル政権に代わり、昨年12月に発足したばかりの新政権は、ドイツ社会民主党(SPD)、環境政党である緑の党、経済界寄りの自由民主党(FDP)の3党による連立政権です。

緑の党が与党入りしたことで、経済よりも環境重視政策となり、気候変動対策への取り組みがこれまで以上に加速しています。

実際に、3党間で交わされた連立協定では、下記のような環境に対する政策が並べられました。

発足以来、積極的にクリーンエネルギー戦略を展開している新ドイツ政権。

気候変動に対する取り組みを強化し、2045年のカーボンニュートラル達成のために、国内の石炭火力発電廃止を早め、再エネによる経済への移行を促進することを掲げています。

そして、その戦略の主要な部分を形成することとなる今回の法案の可決で、以下のような目標も現実味を帯び始めました。

・陸上風力発電を毎年10GWずつ増やし、2030年までに115GWにする
・太陽光発電を2030年までに倍以上の215GWにし、毎年22GWずつ追加する
・洋上風力を2030年までに30GW、2035年までに40GW、2045年までに70GWに増加させる

北海諸国がリードする欧州の脱炭素化

さらに、遅くとも2032年までに、国土の2%を陸上風力発電用に確保するとしているドイツ。
北海を「欧州のグリーン電力プラント」にするための洋上風力発電協定*にも調印しました。

《*洋上風力およびグリーン水素に関する協力協定》
2022年5月18日、デンマークのエスビャウ市で開催された「北海サミット」において締結された協定。
ドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギーが、欧州のエネルギー分野でのレジリエンスを高めるため、化石燃料の消費を削減し、再生可能エネルギーの利用促進の加速を目指す。背景には欧州委員会が発表したロシア産化石燃料依存からの脱却計画「リパワーEU」がある。

加盟各国は、2030年までに65GW、2050年までに150GWの洋上風力発電を目標としていて、達成ために1350億ユーロを投資する計画です。これが実現すればEUの気候中立性を達成するために必要な発電容量の半分以上を供給することになります。

日本における気候変動対策

2022年末までに、原発を全廃するとしているドイツ。
ロシアとの関係悪化から、天然ガスによる火力発電も減衰の勢いを加速させています。

脱炭素化が急務であることは一目瞭然ながら、風車の建設などによる生態系への悪影響を訴える動物保護団体からの批判や、経済界の声もあり、一筋縄ではいきません。

日本においても、抱える問題に共通点は多く存在します。
風力発電に関しては、立地的な条件から、日本のほうが圧倒的に深刻かもしれません。
さらには、原発再稼働や、東京都の新築住宅における太陽光発電設備の設置義務化に関して、様々な声が上がっている現状もあります。

限られた国土と資源で、この世界的な気候危機をどう乗り切るか。
国民一人一人が真剣に考えなければいけません。

当協会は埼玉県で再エネ導入に取り組まれているご家庭や企業様、行政に対して様々な支援を行うことを目的としております。

グリーンエネルギーで満ち溢れた埼玉県を実現するために協会員一丸となって取り組んでまいります。