東京都|「地産地消型再エネ増強プロジェクト」助成対象拡充!
7月15日、産業労働局と公益財団法人東京都環境公社は、都外(東京電力管内)への再エネ発電等設備の設置を対象に追加するなど助成事業の拡充を発表しました。
ロシア・ウクライナ情勢による、原油・原材料価格の高騰と、それが引き起こす電力逼迫への対応として、エネルギーの安定確保に向けた取り組みを加速させている東京都。
民間企業や法人、市区町村などの事業者による「創る」「蓄める」の取り組みを推進する狙いです。
都外への再エネ設備導入を新たに支援
助成対象拡充の内容
今回の助成対象における、主な拡充内容は以下の通りです。
- 都外(東京電力管内)への再エネ発電等設備の設置
- 事前調査費・基本設計費の追加(再エネ発電等設備及び再エネ熱利用設備に適用)
- 再エネ発電設備の下限容量撤廃(太陽光発電出力5キロワット未満など、小規模容量も追加)
また、助成率については、中小企業と市区町村は対象経費の2/3以内と定められ、助成上限額は1億円となっています。
主な助成要件
助成の要件としては、固定価格買取制度の設備認定を受けない設備であることが前提です。
また、都外への再エネ発電等設備の設置に対しては以下の要件を満たすことが求められます。
・都内に事業所等が所在し、事業者が有する都外事業所に再エネ設備を設置すること
・再エネ設備は助成率に応じて環境価値を証書化し、都内事業所で自ら利用すること 等
事業計画と受付時期
受付は令和4年7月20日に開始され、申請期間は令和5年3月31日までとされています。
また、予算額に達し次第終了となります。
※詳細は東京都のホームページをご覧ください。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/07/15/13.html
令和2年度から令和5年度まで(助成金の交付は令和6年度まで)実施されているこのプロジェクト。
今年度の予算は29.93億円(当初予算11.83億円、令和4年度補正予算6億円、令和4年度6月補正予算12.10億円)まで膨らんでいます。
令和3年度の予算規模は約7億円だったことから、東京都が進める脱炭素化への本気度が高まってきたことが窺えます。
まとめ
小池都知事が意欲的に取り組んでいる、都内の新築建造物への太陽光発電設備の設置義務化など、加速し続ける再生可能エネルギーの導入とその支援。
イギリスでも先日、11GW(約1,200万世帯をまかなえる電力に相当)の発電能力を持つ再エネ事業者の支援を政府が発表しました。
さらにEU委員会では、革新的な低炭素技術の実証を目的とした世界最大級の資金提供プログラムであるイノベーションファンドから、クリーンテックの脱炭素化プロジェクトに約2,500億円の投資が決定しています。
《クリーンテック》
「クリーンテクノロジー」とも呼ばれ、再生不可能な資源の利用を抑制し、従来の製品に比べて廃棄物の発生を大幅に少なくした製品やサービス、プロセス。
パリ協定以降、機運の高まり続けている世界規模の脱炭素化の取り組み。
ESG投資など、経済的な側面からもその注目度は高まるばかりでしたが、ここにきて勃発した東欧における嘆かわしい戦争が、化石燃料に依存した体制からの脱却をさらに前進させています。
その一方で、目の前の電力逼迫に対しては、各国が火力発電に頼ることを余儀なくされている事実があることも否めません。政府や自治体には短期的、長期的な政策が求められます。